嬬恋稲荷神社
神奈川県横浜市保土ケ谷区川島町901先
群馬県の嬬恋村は「愛妻家の聖地」であるらしい。
今の今まで「つまごい」という発音を「妻恋」にかけた洒落かと思っていたのだが、「嬬」には正しく「妻」という意味があり、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)とその妻弟橘姫(オトタチバナヒメ)の故事に由来する由緒正しき聖地だった。
日本武尊は東征中に愛妻を亡くし、その帰路、嬬恋村の西の境にある鳥居峠付近で「吾嬬者耶(あずまはや)」(「ああ、わが妻よ、恋しい」)と嘆いたという。これが「吾妻郡嬬恋村」の由来となり、それをなぞって村では「キャベツ畑の中心で愛を叫ぶ」というイベントを2006年から開催している。
陣ケ下渓谷公園の地図に「嬬恋稲荷」の名前を見つけて立ち寄ってみた。特に由緒書きはなく、ネットで検索してみても類似の神社は湯島の「妻恋神社」ぐらいしか見つからないので、そこから勧請されたものかもしれない。
渓谷の北側の高台に集落があり、南面した拝殿に対して裏側に鳥居が建つ不思議な構造になっている。昔は渓谷側に鳥居があり、山を登って祠に詣でたのかもしれない。妻を思って神社を祀ったけれど、照れくさくて山の中に隠したのかな、なんて思ってしまった。