待ちぼうけの石
神奈川県藤沢市鵠沼東2 奥田三角公園
待ち人来たらず。
待って、待って、待ちくたびれてとうとう石になってしまった人。そんな話を昔話か何かで聞いたことがあったような気がする。
さて、この人。石にはなってしまったけれど、なぜかお尻だけが残った。だからかろうじて座っていることがわかる。お尻まで石になってしまったら、もう椅子と同化して何だか、誰だかわからなくなってしまう。
動かずにじっとしていると「お尻に根っこが生えてくるよ」と言われる。それもお尻があってのこと。
お尻はじっと待っている人のアイデンティティなのかもしれない。
・待ちぼうけの石、関根伸夫、1971