2023年4月28日(金)

HIROSHIMA AIR CLOCK

広島県広島市東区二葉の里3-5-4 広島テレビ放送株式会社本社ロビー

HIROSHIMA AIR CLOCK

広島に原爆が投下されたのが昭和20年(1945)8月6日午前8時15分だと時刻まで細かく知ったのは、20年前に杉並にある「知る区ロード・ときのオアシス」を訪ねた時だった。公園の入り口に大きく8時15分を示す時計の文字盤が描かれている。

災害があると、何故か時計は止まる。その持ち主の時が止まってしまったことを、時計は忠実に記録しようとするのだろうか。その瞬間を凍りつかせたまま動かない時計を、震災や事故などの遺品や遺構を展示しているところで何度も見てきた。

永遠に続くかと思われた時の流れが突然ぷっつりと断ち切られた時、その時計の持ち主がどんな思いでいたのかを想像することは難しい。難しいけれど、そこに想いを馳せることは残されたものの使命なのではないかと思うことがある。

オノ・ヨーコのこの作品はあの日、8月6日午前8時15分を示したまま静かにたたずんでいる。その意味を知らなければ、何とも思わずに通り過ぎてしまうことだろう。でも、わたしたちはそれを知らなければならない。記憶して語り継がなければならない。

それがメッセージなのだと思う。

同じロビーには、生口島で見た未来心の丘の作者・杭谷 一東の作品も展示されていた。

(キャプション) : HIROSHIMA AIR CLOCK | 天風 || 知る区ロード・ときのオアシス