緑のラブレター
神奈川県相模原市緑区名倉 藤野芸術の道
山の上にハートのシールで封緘された大きなラブレターが見える。当地に在住の造形作家・高橋政行が平成元年(1989)に制作した旧藤野町のシンボルともいえる作品で、自然から人に向けた愛のメッセージなのだそうだ。
封書の右上と左下に手の形が見える。宛名の側を胸に当てて手紙を抱きしめ、送り主に想いを馳せているところなのだろう。乙女チックで、ロマンチックなしぐさだ。
と言うことは、作者のメッセージに反対をして申し訳ないが、これは人から自然へのラブレターなのではないだろうか。
豊かな緑、清らかな水、そこで育まれるたくさんの命。美しい景色、たくさんの恵み。そのすべてを愛していると伝えたい。そしてそのために、環境破壊を止め、あなたと共に生きていきたい。うまく言えないけれど、そういう愛のメッセージが書かれている(書かれていなければいけない)のだろうと思う。そのメッセージが自然に届いて、われわれに愛を返してくれることを願って。
同じ作者の別の作品 : 山の目