2023年7月19日(水)

東京湾の夕陽

橘 丸

羽田

船が東京湾に入ると、水平線しか見えなかった景色が一変して、房総半島や三浦半島の山や町が見えてくる。長旅に倦んだ人たちがぽつりぽつりとデッキにでてきて、その景色をじっと見つめている。

甲板

あぁ、旅も終わりなんだなぁと振り返っているのか、やっと家に帰って来たぞと懐かしんでいるのか。

ゆっくりと自転車並みのスピードで進む船は、旅先での非日常から日常生活へ戻る気持ちを、上手にソフトランディングさせてくれる。まどろみの中でゆっくりと目が覚めていくように、戻るべき世界が近づいてくる。

時刻はちょうど夕暮れ時。夕焼けに染まる横浜の街のシルエットが美しい。陽が落ちれば街の灯が星空のようなイルミネーションを見せてくれる。お台場の周りにはたくさんの屋形船の明かり。夢の余韻はまだまだ続いている。