墓所 紀伊國屋文左衛門 / 間宮林蔵
東京都江東区三好1-6-13 成等院
東京都江東区平野2-7-8
初めて「きのくにや」という名前を知ったのは、新宿の紀伊國屋書店だった。洋書というものが売っているのを初めて見たのもここだった気がする。町の小さな本屋のほかに、図書館並みの蔵書を持った書店があることを知って、自分の知的世界が次のステージにステップアップするのを感じたことを覚えている。
小劇場の聖地と言われる紀伊國屋ホールにも、背伸びして見る大人の世界の怪しさ(?)みたいなものを感じていた。
次に知ったのが江戸時代の商人紀伊國屋文左衛門。紀州(和歌山)のミカンや木材で富を成したと伝えられている。
社会人になってから高級スーパーの紀ノ国屋を知って、「きのくにや」は昔からいろいろと手広く商売をしているのだなと思ったけれど、紀伊國屋書店もスーパーの紀ノ国屋も、ついでに言うと紀伊国屋文左衛門を略したように見える食品メーカーの紀文(※)も、紀伊國屋文左衛門には何の関係もないそうだ。関係は無いけれど「きのくにや」という響きに何か惹かれるものがあって命名されたのかもしれない。
紀伊國屋文左衛門の墓がある成等院の近くには、間宮海峡の発見者として知られる間宮林蔵の墓もある。お寺の墓地ではなく、町中にポツンとあるのが不思議だ。
※ 元の屋号紀伊国屋と創業者の夫人の名前から一文字づつ取って紀文としたそうだ。