東口本宮冨士浅間神社
静岡県駿東郡小山町須走126
霊峰富士山には登山口それぞれに浅間神社がまつられている。須走口にあるのが東口本宮冨士浅間神社。通称須走浅間神社だ。
わたしは中学生の時に、一回だけ富士山に登ったことがある。その時は高速バスで富士スバルライン五合目まで行って吉田ルートを登り、帰りは砂走りという砂の斜面を一気に駆け降りた。下山で走るなどということはもってのほかの行為なのだが、足が埋まるほどに柔らかい砂地の斜面は適度にブレーキもかかり、コツをつかめば面白いようにスピードが出せて子ども心にはワクワクする体験だったことを思い出す。
今の今までそれは須走ルートの砂走りだと思っていたのだが、調べてみると御殿場ルートにも同じような大砂走りがあった。どちらも最終的には御殿場からJR(当時は国鉄)に乗るので、その部分の記憶はあっている。
わたしが下りたのはどちらのルートだっただろうか。
一緒に登った父も鬼籍に入りもう確かめることはできなくなった。あのザッザッという砂の音だけが、今も耳の奥に残っている。
須走から御殿場駅まで、帰りの自転車ルートは一本調子のゆるやかな下り坂で、砂走を走るように軽快に駆け下りてきた。