海底沢橋
神奈川県愛甲郡愛川町角田4084付近
海から20km以上離れた相模川上流にある愛川町に、「海底」という不思議な地名がある。かつては海底だった土地が隆起してできた、という話ではない。
この地名は「おぞこ」（または、おぞこう）と読む。詳しくはわからないが、たぶんその読みが先にあり、そこに「海底（うみぞこ）」の字があてられたのだろうと思われる。
国土地理院の地図にはまだ字名の表記が残っているが、住所の表記は愛川町角田（すみた）に変わっている。なにか昔の名残が残っていないかと思って訪ねてみると、海底集落の東側の入口と思われる辺りに「海底沢橋」を見つけた。
橋の下を流れる小さな川が海底沢なのだろう。橋の上から覗いて見ると、思いのほか谷が深く暗くて底が見えない。
海の底だからこんなに暗いのだろうと無理やりこじつけて、…そんなはずはないが、なんとなく気が済んで帰ってきた。