下高久円筒分水
福島県いわき市平下高久袴田
夏井川渓谷で紅葉狩りを楽しんだ後、昼前にいわき市街まで戻ってこられたので海へ行くことにした。「塩屋埼灯台→」と書かれた道案内に従って県道241号を進むと、ほどなく両側に田畑の広がる田園地帯になった。
山から街、農村、そして海へ。今日は景色の移り変りがバラエティに富んでいて楽しい。
途中、道の脇に円筒分水を見つけた。傍らには農地整備事業の記念碑が建っている。
特に説明もなく詳しいことはわからないが、水利の分配で争った歴史があるのかもしれない。
すぐ横を滑津川が流れているので水には困らないように思うのだが、記念碑には「愛谷江筋及び大小数個の溜池を水源と」して農業を行っていると書かれている。愛谷江筋(あいやえすじ)とは江戸時代(延宝7年(1679))にここから10km以上離れた夏井川から取水して引かれた用水路で、それなりに用水には苦労があったようだ。
そういえば、いわき駅の近くにラウンドアバウト(環状交差点)があってその横に用水路が通っていた。その時はあまり重要に思わずスルーしたが、あれが愛谷江筋だったのだ。ラウンドアバウトと円筒用水。似てるような似てないような、関係があるようなないような。そんなめぐりあわせがおもしろい。