里の秋
福島県いわき市小川町上小川高崎32付近 高崎バス停
子どもの頃、毎年秋になると祖母の田舎から柿が送られてきた。まだ宅配便が開発されておらず段ボール箱も普及していなかったので、チッキと呼ばれた鉄道貨物で木箱に入れて送られてきた荷物を、父が当時国鉄の新宿駅南口にあった貨物取扱所まで取りに行ったことを覚えている。
おとなになった今でも一番おいしい果物はメロンでもシャインマスカットでもなく、柿と栗だと思うのは子どもの頃の記憶のせいに違いない。
いわき市街から夏川渓谷を往復する道すがら、あちこちで柿の木を見て懐かしい昔を思い出した。
焼酎で渋抜きした柿は甘くて何個でも食べられた。荷物を取りに行くのが遅れたら柿が熟しすぎてトロトロになってしまい、木箱から漏れてきて困ったことがあったなぁ。
などと思い出に浸りながら走っていたら、ちょうどいい写真を撮らずに来てしまったので、ちょっと気になったバス停の写真をつけておく。何ともほのぼのとする、山里の風景だった。