オユ10形式は、旧郵政省が所有していた全室郵便車です。一般客車の軽量構造化に伴って製造された我が国最初の軽量郵便車で、主に幹線区に使用されました。
車内は郵袋室と区分作業室を持つ特殊な構造で、郵便物を納める郵袋を600個積むことができます。
また、郵便物を運ぶだけでなく走行中には区分作業をしながら、駅では郵袋の積み降ろしを行いました。
ここで保存されている車両は昭和44年に製造され、主に東京〜北海道間で郵便輸送に活躍しましたが、昭和61年鉄道郵便の全面廃止に伴い廃車となりました。
廃車後は、能登線甲駅(穴水町)で保存されましたが老朽化が著しく、処分間際の平成10年にボランティア団体「ふるさと鉄道保存協会」が譲り受けて保存活動を開始し、平成16年11月16日未明に能登中島駅に移転してきました。
そして平成25年には、のと鉄道株式会社の協力により、車体外板の修復と塗装が実施されました。
ここに鉄道郵便車を保存活用することにより、長年の郵便輸送に対する功績をたたえ、また鉄道郵便職員の労苦に報いるものであります。
〜鉄郵魂は永遠に不滅なり〜