記念撮影−通りすぎる人−
東京都文京区大塚3-29-1 筑波大学東京キャンパス 文京校舎
朽ちかけた扉を抜けて歩みだす女性。しっかりと前を向き、今までの自分に訣別して新しい世界へ踏み出そうとしている。
その扉の向こうには、反対側へ向かって歩いていく後ろ姿が見える。やっぱり今の世界からは出られないと後ろ向きに考えてしまうもう一人の自分。
決意と翻意(あるいは逡巡)。二つの思いがすれ違う。
人生の節目節目に選ばなかった未来は、分岐の先に分かれて行ったり、すれ違って通りすぎたり。
新しい門出を祝う記念撮影。その後ろには、すれ違った別の人生の後ろ姿が写っているのだろうか。