フィオーナとアリアン
東京都文京区大塚3-29 教育の森公園
「あら、あの人また来ているわよ。」
「そうね、午前中にも見かけた赤い自転車の人ね。」
「いやだわ、じっとこっちを見てる。ストーカーかしら。」
公園のベンチでフィオーナとアリアンがおしゃべりをしている。
よく陽が当たって居心地がいいので、午前中に訪ねた時には先客が隣に腰かけて何やら熱心に仕事をしていた。
動く気配がないのでほかを回って午後にまた来てみると、今度は二人の真ん中で営業マンらしい人が電話をしている。向かいのベンチで待っているわたしにも聞こえるぐらい大声で話をしているけれどいいのかな。両側からじっと見つめる彼女たちには毎度のことで、あぁまたあの話ね、なんて思っているのかもしれない。
ここを出たらあとは帰るだけなので、のんびりと水を飲みおやつを食べながら待つことにしよう。ベンチ付きの作品にはいつも苦労させられる。