ストーブ列車
青森県五所川原市 津軽鉄道
ストーブ列車に乗ってきた。
列車の中に石炭ストーブが載っている。もちろん暖房用だが、車内販売でスルメを買うと添乗員さんがストーブの上で焼いてくれる。スルメが丸まらないよう、軍手をした手を押し付けて焼く風景も楽しい。
わたしの小中学校の暖房も、これと同じだるまストーブだった。日直は朝早くに登校して火をつけるのだが、石炭が燃えるまでに時間がかかって1時間目は寒かった。
乾燥防止のためにストーブの上で沸かしていた湯をひっくり返したとか、雪で濡れた手袋などを乾かそうとして焦がしたとか、いろいろな事件を懐かしく思い出す。
列車は旧式で床や座席は木製、網棚には文字通り網がかかっている。列車の行き先は実在の駅なのか。遠い昔に連れていかれるタイムマシンなのではないかと心配になる。
窓の隙間から雪が舞い込んできた。窓辺に散った白い結晶を見て風情があると言うか、おんぼろだと言うか。スルメをつまみにお酒も飲んで、心も体も暖まるストーブ列車の旅だった。