虫おくり
(マンホール)青森県五所川原市字布屋町21付近
五所川原の町中で龍の顔がデザインされたマンホールを見つけた。駅前商店街の閉店したパチンコ屋の壁にも昇り龍の絵。辰年の今年に相応しい発見だ。
…と思ったのだが、マンホールに描かれているのは龍ではなく「虫」だという。
津軽地方の各地に伝わる「虫おくり」という行事では、稲を病害虫から守るために木彫りの頭に稲わらの胴体で「虫」と呼ばれる大蛇を作り、地域を練り歩くのだそうだ。ヘビは別名を「長虫」というように虫扱いなのだ。
五所川原では、昭和39年(1964)に始まった「奥津軽虫と火まつり」が、毎年田植えの終わった6月中旬に開催されている。
これまでにも奥沢神社の「大蛇お練り」や横浜・生麦の「蛇も蚊も」など、大蛇が町を練り歩く祭事が伝わる地域を訪ねたことがあった。同じような由来を持つものだろう。
そういえば、何年か前に家の中にアオダイショウが入って来たことがあった。それまでネズミの害に悩まされていたのが治まったかなと思った時だったので、なるほど彼のお陰だったのかと思い当たった。
やはりわれわれを守ってくれるのは、龍ではなくヘビなのだな。