爪木埼灯台
静岡県下田市須崎
伊豆半島の南端に近い爪木崎に、青い空、青い海を背景に白亜の灯台がすっくと立っている。その足元からは広々とした太平洋と、水平線に点々とする伊豆諸島の島々を望む絶景を眺めることができる。
灯台の絵を描くとしたらまさにこんな感じになるだろうというイメージ通りの佇まいだ。初点灯は昭和12年(1937)4月1日。いつも見かける燈光会の説明板が見当たらないので詳しいことが分からない。
そのかわり、沖に見える神子元島(みこもとしま)灯台の説明板が立っていた。明治3年(1871)に初点灯した現役の灯台で、建設当時の形を残すものでは日本最古の洋式石造灯台とされている。
灯台を見てバス停に戻ってくると、近くにGPSの電子基準点が立っていた。GPSの普及によって航路標識としての役割を終えた灯台も多いと聞く。爪木埼灯台はまだ現役で活躍しているが、いずれそういう日も来るのだろうかと思って、ちょっと寂しい気持ちになった。