二光滝
静岡県浜松市天竜区二俣町二俣315-3付近
ごく普通の二俣川に沿って、ごくごく普通の二俣の町中を走って行くと、突然川のまわりが岩だらけになって深い山中の渓谷のような景色になった。
その岩の合間を縫って滝が落ちている。
垂直に落ちる小さな滝と、階段状になった渓流瀑。その段々に土留めの擁壁にあるような水抜きの穴が開いている。人工にも自然のものにも見える不思議な滝だ。
かつての二俣川は暴れ川であったため、昭和のはじめに役行者(えんのおづぬ)が祀られた烏帽子山と浅間神社のある浅間山の間を割って人工的に水路が掘削されたのだそうだ。その時にこの二光滝が誕生した。この西側の、天竜高校のまわりをぐるりと回って二光滝の下流で二俣川に合流する水路が改修以前の二俣川跡だ。
江戸時代(明和三年(1766)〜寛政三年(1791))にも改修工事が行われ、町の西側の二俣城付近にあった河口が南の現在地に付け替えられた。鳥羽山と城山の間に残る「川口」という字名に、歴史の記憶が残されている。