2024年3月17日(日)

浜松市秋野不矩美術館

静岡県浜松市天竜区二俣町二俣130

雨どい

美術館は小高い丘の上に建っている。坂上の駐車場は坂道の歩行が負担になる人専用なので一般の人は坂下の駐車場を利用せよというので、駐車場のフェンスに自転車を立てかけて坂を上って行ったら坂上にバイクラックが用意されていた。

アプローチ

何とも釈然としないが、坂道を登っていくアプローチも楽しみのひとつだと思うことにしよう。

1998年に開館した美術館の建築設計は藤森照信と内田祥士(習作舎)。

建築探偵として主に日本の西洋建築(洋館)を追いかけていた藤森照信が建築家になって設計した建物は、空に浮かぶ茶室(空飛ぶ泥舟)や屋根に芝生が生えている建物(ラ コリーナ近江八幡)など独創的なものばかりだ。

それに比べるとこの美術館はおとなしいような気がするが、それが物足りなかったのか、開館20周年記念に建てられた茶室は高脚の貯水タンクのような不思議な形をしている。本館も、雨どいが壁から垂直に外に出ていたりしてよく見れば奇抜な所もあるのだが、それが気にならないのは、彼が自然素材や地元産の資材を使って「まわりの風景に溶け込むような建築物を造る」ことをモットーに設計をしているせいだろう。木製の重い扉を自分で開けて入り、靴を脱いで鑑賞する体験が新鮮だ。

今日は特別展「上村松篁が描く万葉の世界 『額田女王』挿絵原画展」のために、秋野自身の作品がほとんど見られなかったのが残念だった。

茶室「望矩楼」