桜のマンホール
福島県双葉郡富岡町本岡王塚760-1 とみおかアーカイブ・ミュージアム向い側歩道上
震災を機会にたくさんの地名を覚えた。女という字が目を惹いた「女川(おながわ)」や読みも漢字も不思議な「閖上(ゆりあげ)」など。野馬追が有名な相馬は以前から聞いていたけれど、実際の場所を知ったのは震災後だった。
富岡町もそのひとつ。最初に「夜の森」という地名(※)を知り、今回、それが富岡町にあることを知った。
富岡町は福島県浜通りのほぼ真ん中。一説には、北側の相馬中村藩と南側の岩城藩が領有を争って「余(自分)の森だ」と言ったことから「夜の森」という地名がうまれたという。似たような話が伝わる「小良ヶ浜」(おら(自分)の浜)という地名も夜の森の東隣にあっておもしろい。
その夜の森は桜の名所だ。
町の花はもちろんサクラ、と思ったら町の木だった。町の花はツツジ。夜ノ森駅(※)のツツジが有名だったが、残念なことに原発事故の関係で伐採されてしまった。ツツジの分も頑張るぞ、と言ったかどうかはわからないが、町の鳥セキレイはマスコットキャラクター「とみっぴー」になり、サクラはマンホールや側溝の蓋にデザインされて町を引き立てている。
※ 地名は「夜の森」、駅名は「夜ノ森」