白いツツジが飾る道
神奈川県横須賀市東逸見町4丁目 新沢山隧道北側
トンネルを抜けると雪国であった。
川端康成の言葉を叫びたくなるほど道の両側の植え込みが真っ白に染まっている。暗いトンネルからまばゆい光の中に飛び出したので、その白さがより一層際立って見える。
ツツジといえば赤紫の花のイメージがある。もちろん白い花もあるけれど、こんなに固まって咲いているのを見ることはなかなかない。
そしてその白がとにかく美しい。
行政が整備しているのか、それとも地元の方々が手入れをしているのか、その丁寧な仕事ぶりが見て取れる素敵な風景だ。
道は緩やかな坂道になっていて、写真を撮っていると何台もの自転車がやって来た。
電動自転車で軽やかに登っていく地元の方、わたしと同じように三浦半島横断に挑戦するサイクリスト、大きな荷物を背負った配達のドライバーも来る。脇目もふらず一心不乱に登る人も、あっという間に颯爽と駆け抜ける人も、ちらっと見てはいるけれど、みんなわたしほどにはツツジに感動しているようには見えない。
あぁ、なんともったいないことか。観光ガイドで紹介してもいいぐらいの絶景なのに。