瘡守稲荷社
長野県松本市中央1-24
夕暮れが迫り暗くぼんやりと沈んだ景色の中で、そこだけ冴え冴えと輝くように存在感を主張している。真赤な鳥居が列をなした先に、カラフルな彫刻に彩られたお堂が建っている。
低い鳥居を頭を下げてうつむき気味に通り抜け、頭を上げたらそこは思ったのと違うところだったなんてことが起こるのではないかと心配しながらお詣りする。どこのお稲荷さんでも、鳥居の回廊は異世界へ導かれるトンネルのような気がして怖い。
まさに今は逢魔が時。お堂の両脇で睨みを利かす二体の白狐は、今にも何か言いだしそうな雰囲気を醸し出している。
ササッと写真を撮って引き揚げようとするのだが、怪しい力に魅入られてなかなか境内から出ることができない。やばい、もうすぐ日が暮れる。