奥入瀬渓流
青森県十和田市奥瀬
今の今まで「奥入瀬渓谷」だと思っていた。確かに両岸を断崖絶壁に囲まれた渓谷であることに間違いはないのだが、流れは渓谷にしては緩やかで途中に滝は銚子大滝ひとつしかない。
U字型に削られているので、谷底の流れに近いところに道が拓かれている。車道からも、その下の遊歩道からも間近に渓流の景色を楽しめることから、奥入瀬渓流と呼ばれているようだ。
谷が深いので両岸には20m級の大滝が幾筋も落ちている。歩いていく左右に次々に現れる大滝に驚きながらも、思いのほか穏やかな気分なのは深い緑のせいだろうか。
柔らかい光としっとりとした空気に心が和む。梢を渡る風の音や遠くに聞こえる鳥の声も心地よい。人気の高い紅葉のシーズンを外しているので出会う人も少なく、あたりには深山幽谷の雰囲気が満ちている。
三陸の海から始まった今回の旅の、最高のエンディングになった。