お鷹の道の水車
国分寺市西元町1-13-10 おたかの道湧水園前
カタカタという歯車の音に交じって、リンリンと涼やかな虫の声がする。コロコロ、ポクポク、妖精が会話をしているような不思議な音も幽かに聞こえてくる。
武蔵国分寺跡史跡指定100周年記念のデザインマンホールを見にお鷹の道を訪ねてみると、その傍らで小さな木製の水車が三つ、それぞれの音を奏でながら合奏をするように静かに回っていた。
造形家の栗田昇の作品で、平成26年(2014)から毎週末に設置されているのだそうだ。
水車が回ると、連動してトンボが飛んだり蝶のようなものが羽ばたいたりする。その動きは計算された規則正しいものであるはずなのに、なぜか自由意志を持った勝手でランダムなものに見えてしまう。
そんな、単調な日常生活を思い起こさせる水車の動きに紛れ込んだささやかなノイズが心地よい。
夏の間、熱中症を避けて自転車散歩をしていなかったのでそろそろ鬱憤がたまってきた感じがする。そんな気分を軽やかに開放してくれて、近づく秋の気配も少し感じさせてくれる素敵な出会いだった。