夢エンピツ
東京都文京区本駒込3-20-3 講談社FSビル
小さくなった色鉛筆が螺旋を描いて積み上がっている。キャプションによると、講談社フェーマススクールズの創立40周年を記念して制作されたモニュメントだという。作者の福田繁雄は同校が主催するKFSアート・コンテストの審査委員長を務めていた。
トリックアートを数多く手がけ「日本のエッシャー」と称されていた彼の作品だから何かあるに違いないと思って周りをぐるぐる回ってみるのだが、特に驚くような仕掛けは見つからない。
龍が天に昇っていくようなイメージは、学校の生徒たちに向けた応援メッセージなのだろう。カラフルできれい。ちびた鉛筆がかわいい。そんな通り一遍の感想しか湧いてこないことに物足りなさを感じるのは、考え過ぎ、期待しすぎというものか。
もやもやしたまま家に帰って調べてみると、モニュメントの鉛筆は13色あるという。一般的な色鉛筆のセットは12色だから、そこに彼のトリックがあったということか。しかも、撮った写真を見返してみると植栽に隠されて10色しか見えない。
やっぱり、彼の作品は一筋縄ではいかない。