2024年11月22日(金)

御刀神社

福島県南相馬市鹿島区南海老剱ノ宮

銀杏

開けた田んぼの向こうにこんもりと茂った小さな森が見えた。そのなかで、黄色く色づいたイチョウの木がキラキラと光っている。御刀(みと)神社の鎮守の森(社叢)だ。

遠景

あの日の津波はこの地にも押し寄せ、神社の社殿、鳥居などはすべて流されてしまった。周囲の集落にも大きな被害が出たけれど、この西側に建つ家は社叢に守られて無事だったそうだ。流された狛犬がこの家まで運ばれて座敷に鎮座していたという話が伝えられている。境内には「津波注意(津波災害警戒区域)ここの地盤は海抜5.2m」と書かれた看板が立っていた。

再建された仮社殿も2019年の台風で倒壊してしまい、今は小さな祠だけが祀られている。津波に耐えたイチョウがそのお守りをしている。

神社から海側には広々とした農地が広がっている。目に入る人工物は海沿いに並ぶ万葉の里風力発電所の風車が4基、ゆっくりと回っているのが見えるだけだ。

振り返ると向かいの家で一頭の馬がのんびりと草を食んでいた。たぶん相馬野馬追で活躍する日を待っているのだろう。その平穏な様子にホッとさせられた。

震災の傷跡