2024年11月22日(金)

相馬野馬追

福島県南相馬市、相馬市、新地町、飯舘村、浪江町、双葉町、大熊町

武者

わたしが相馬野馬追を知ったのは震災後だった。国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統行事の開催が、震災とそれに続く原発事故のために危ぶまれているというニュースを聞いた時だ。

それまでにも、岩手県の「チャグチャグ馬コ」などと並んで有名な馬のお祭りが東北にあると噂には聞いていたのだが、はっきりと認識したことはなかったのだ。

鎧兜

相馬氏の祖とされる平将門の軍事教練に端を発するという祭りは、今も相馬家当主を総大将として迎え、騎馬武者の行列や戦国絵巻さながらの甲冑競馬や神旗争奪戦が行なわれる。

震災当年の2011年は「東日本大震災復興 相馬三社野馬追」として騎馬82騎に規模を縮小して実施されたが、翌年からは徐々に規模を拡大し、2015年には震災前とほぼ同等レベルまで回復することができたそうだ。

しかし浪江町や双葉町などには今も町内に帰宅困難区域があり、対象地区全域で完全に復活したとは言えない状況だ。

昼食に立ち寄ったセデッテかしま(南相馬市)では実寸大の騎馬武者人形に迎えられた。相馬市の観光案内所「相馬市千客万来館」には甲冑やデザインマンホールが展示されている。真野ダム(飯舘村)の歩道には相馬野馬追の様子を描いたタイルが埋め込まれていた。以前訪ねた双葉町では相馬野馬追をモチーフにした壁画アートが人影の消えた町を守っていた。

相馬地方の人たちの心の支えとして、相馬野馬追はかけがえのない存在なのだとあらためて思い知らされた出会いだった。

相馬野馬追について | 金箔切付釘貫紋柄威二枚胴具足