2011年1月25日(火)

エリスマン邸

神奈川県横浜市中区元町1-77-4

エリスマン邸

赤レンガやオレンジのスペイン瓦など暖色系の彩りの多い洋館が多いの中で、クリーム色の外観にペパーミントグリーンの鎧戸をアクセントにした寒色系の配色が際だっている。寒色系ではあるけれど、その爽やかさは、冬枯れの景色の中でそこだけ春風が吹いているかのようだ。

「洋館」と聞いてすぐに思い浮かべる「アーチ」が無いのもほかとは異なる所。直線を強調したデザインは、F.L.ライトの弟子として、日本にモダニズムの種を蒔いたA.レーモンドならでは。モダニズムの特徴である「白い四角い箱」ではあるけれど、無味乾燥ではないところが素晴らしい。

1階には広々としたサンルーム、2階にもふたつのバルコニーがある。元町公園に移築される前は横浜の海を望む高台に建っていたようなので、エリスマン氏はバルコニーやサンルームからの眺めを楽しみにしていたことだろう。公園の木々に囲まれて、今はまた違った景色が訪れる人たちを楽しませている。

説明板 | 「横浜らしさ」をつくる、山手の洋館群