金色姫伝説
神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-1(日本民家園 蚕影山祠堂)
「UFOは存在するか、しないか」という議論はナンセンスだ。Unidentified Flying Objectを略したものがUFO。「未確認飛行物体」という訳語の通り「正体不明のもの」を指しており、存在しているからこそそれがなんだか知りたい。その仮の名が"UFO"。宇宙船や宇宙人かどうかはあくまでも「未確認」なのだ。
薄暮の時を指す「たそがれ」の語源は「誰そ彼(たれそかれ)」。向こうから歩いてくる人(?)が、暗くて誰かわからない。つまりU〜 Facing O〜。夕暮れ時のサイクリングロードで、ライトがまぶしくて対向車が誰だかわからないのも、U〜 Flashing O〜。UFOは確かに存在している。
江戸時代の「兎園小説」や「弘賢随筆」という書物に「うつろ舟(虚舟)の蛮女」という話が紹介されている。享和3年(1803)2月、常陸国(現在の茨城県)の海岸に、上部がガラス張り下部は鉄板の空飛ぶ円盤のような船(うつろ舟)に乗った正体不明の女性が漂着したというのだ。Unidentified Floating Object。江戸時代版のUFOだ。
この話については、桑の木で造った舟でインドから日本に流れ着き、養蚕を伝えた金色姫の伝説をと関係があるのではないかいう説がある。日本民家園の蚕影山祠堂(こかげさんしどう)には、流れ着いた金色姫が漁師に助けられる場面を描いたレリーフがあるが、姫の乗った船はなんと空飛ぶ円盤にそっくりだ。
帆掛けでも手漕ぎでもないこの不思議な形はほかに例がない。エジプトやインカの古代文明は宇宙人が伝えたのではないかという説があるけれど、日本に養蚕を伝えたのももしかしたら…。なんて考えてみるのはどうだろうか。