海福寺
東京都目黒区下目黒3-20-9
平成13年(2001)7月、兵庫県明石市で花火大会に集まった人が会場近くの歩道橋上にあふれ、押し合いとなって転倒して、11人が死亡200人以上が怪我をするという事故があった。FC東京の試合などのイベントが終わったあと、味の素スタジアムを出て甲州街道を渡る歩道橋はいつもギュウギュウ詰めで、その度にこの事故のことを思い出してはぞっとしてしまう。
江戸時代には、木製だった隅田川の永代橋が深川八幡のお祭りに詰めかけた群衆の重みで崩れ、数百人の死者を出す事故があったという。橋の落ちなかった部分に残った人のなかにも、あとからあとから詰めかける人に押し出され、川に落ちて溺れた人が多数いたそうだ。
明治時代に深川から目黒に移転した海福寺には、事故の犠牲者を悼む供養碑が移設されて残っている。台座に彫られた多数の法名が痛ましい。
真っ赤な四脚門をくぐって境内にはいると、都の指定有形文化財に指定された梵鐘が懸かっている。断面がもにょもにょとした柔らかな線を描いていて面白い。オバQの口って、こんなだったかな。そんなことをふと思い出した。
(文化財の説明板) 海福寺 | 永代橋崩落横死者供養塔(1) (2) | 四脚門 | 梵鐘