2011年11月17日(木)

一ノ滝

東京都青梅市柚木町1-49付近(青龍橋下)

一ノ滝

「あっ、あのおじさん橋の下へ降りていくぞ」

背後から学校帰りの小学生たちの声が聞こえる。梅郷の梅の親木があることで知られる大聖院の裏にある青龍橋から下を覗くと、微かに沢の音は聞こえるものの、大小の木々が谷を埋めて水流は見ることができない。そんなところへ、道標もなく踏み跡もはっきりしない道を降りていく人を怪しいと見るのか、俺たちもそんな冒険がしてみたいと思うのか。

上から

やばい、やばい。振り向かないで突進だ。

かぼそい踏み跡を探しながら降りていくと、深く切れ込んだ谷を見下ろす尾根の上の十字路に行き当たった。右は滝の上へ、左はたぶん多摩川に降りる道だろう。ここを直進して、尾根の端からUターンするように谷へ降りていく。何とか谷底にたどり着いたが、振り向くと、もうどこから来たのか道がはっきりしない。滝の周りは高い岩壁に囲まれた広場になっていて、遙か上に橋桁が見える。なんだか取り残された気分だ。

アラビアンナイトに、こんな所に閉じこめられたシンドバッドが、肉を拾いに来た大鷲に捕まって脱出する話があったなと、ふと思い出した。穴の底にはダイアモンドのかけらがたくさん落ちていて、外から生肉の塊を投げ込み、そこにくっついた宝石を鷲に拾わせるという話だった。

ここから出られたら、谷底には宝物(みたいな滝)があったよと、あの小学生たちに教えてあげようかな。