2011年11月17日(木)

琴平滝

東京都青梅市御岳2-287付近

琴平滝

吉野街道から、真っ赤な大鳥居をくぐって御岳山への参道に入る。500m程進んだ光仙橋のたもとの、大きな石碑が建っているところが滝への入口だ。苔むした碑は読みにくいけれど、どうやら「琴平瀧」と書かれているようだ。「琴」の字は、"今"が"金"になっている。

琴平滝の碑

石碑に彫られた日付は大正四年十一月十日。「神宮大宮司従二位子爵三室戸和光書」とある。その頃は、御岳山に参詣する人たちがこの参道を歩いて登っていた。水を飲んだり、涼を取るためにこの滝に立ち寄った人も多かったことだろう。中には、ここで水垢離をして入山した人もいたかもしれない。

石段を登ると道はすぐに心許なくなる。ケーブルカーが開業し、バスで滝本駅まで行くようになって参道を歩く人は少なくなった。この滝を訪れる人もほとんどいないのだろう。

時代は移っても何も変わることなく、琴平滝は静かに落ちている。その姿は黙々と修行を続ける行者のようだった。