田中丘隅回向墓
東京都あきる野市平沢732番地（広済寺）
何かの資料で「休愚」という名前を見つけて、おかしな名前をつける人がいたものだと思っていた。漢字に頓着がないのか、謙遜してそんな字を当ててみたのか。はたまた誤植だったのか。
その田中丘隅（休愚）の回向墓があきる野市の広済寺にある。旧多摩郡平沢村（現あきる野市）に生まれた彼は、川崎宿本陣を務める田中家の養子となったため、実際の墓は川崎にある。これは、川崎宿の再興に貢献し後に幕府の役人として多摩川や酒匂川などの治水工事に腕をふるった彼を、郷土の誉れと思う生家の兄が中心になって建てたものであるらしい。風雨にさらされて傷んだ碑に並んで、近年建てられたレプリカが並んでいる。
回向墓から離れた本堂の前にも、いわくありげな三本の石碑が並んでいる。特に説明板の類はなく、真ん中の碑も向かって右隣の由来碑も摩滅して読みにくいが、田中丘隅ゆかりのものであるようだ。