国立劇場の小松乙女
東京都千代田区隼町4-1
半蔵門の国立劇場前の桜が咲き始めた。実生から育てた駿河桜や大きく枝を広げた神代曙、上野公園の小松宮彰仁親王像の前にあることから名付けられたという小松乙女たちだ。
小松乙女の花はよく見ると薄ピンク色の花びらの先が濃いピンクに染まっていて、おしゃれにマニキュアを塗った爪先のように見える。「乙女」の名にふさわしい可憐で美しい花だ。
花はまだ咲き始めたばかりだけれど、ふくらんだつぼみで木の全体が赤く染まっている。恥じらいの表情を浮かべた少女のような控えめな姿。でも、うちに秘めた情熱で若い血潮が煮えたぎっている。
満開の花盛りになった時の乙女の姿も見てみたいけど、今この時の初々しい姿のままそっとしておきたい気も、ちょっとする。
（参考）2012年の東京の桜開花宣言は、3月31日でした。