2012年4月28日(土)

禅定院のボタン

東京都中野区沼袋2-28-2

鯉?

バラの花みたいだね。誰かがそんな感想を漏らしていた。確かに咲いたばかりのボタンの花はみずみずしくて、花びらの一枚一枚がピンと張り詰めた様子はヨーロッパの王室の名を戴くバラの花のように気品にあふれている。

六地蔵

花びらの上にも、葉の上にも、昨日の雨のなごりが銀色の玉を散らして輝いている。たくさんの宝石を身にまとった女王は、つい先日まで春の主役だったサクラなど足もとにも及ばないような色香を漂わせて、人々のため息を集めている。

西武新宿線沼袋駅から程近い住宅街の中にひっそりとたたずむ禅定院には素敵な牡丹園がある。蓮池を中心に色とりどりのボタンが妍を競って咲き乱れる園内を訪れる人は地元の方ばかりなのか、観光地のようなざわざわした感じが無く落ち着いて花を楽しめるのがうれしい。日の高くならない、午前中の訪問がオススメだ。