古石場川親水公園 牡丹園
東京都江東区牡丹1-9、10
桜とかつつじとか、新興住宅地に花の名前を冠した町名をつける例は多いけれど、江東区の「牡丹町」の由来は江戸時代にまで遡る。この地にあった旧徳島藩・松平阿波守の屋敷内や付近に牡丹を栽培する家が多かったことからその名がついたという。
その町名に因んで、牡丹町公園に隣接する古石場川親水公園には牡丹園が設けられている。よく手入れがされて、花の種類も多く、その由緒に恥じない立派な公園だ。
縁日で賑わう富岡八幡宮の目と鼻の先にありながら、ここまで足を伸ばす人は少ないようだ。静かで落ち着いた雰囲気のなかで、一つ一つの花を丹念に楽しめる至福の時。
人に教えたいような、教えたくないような、何とも複雑な気持ちで今、この文章を書いてる。
それにしても、花の力は素晴らしい。ふだんはコンクリート壁に囲まれた味気ない空堀にしか見えない場所が、ボタンが咲いただけでどこにも負けない魅力的な公園にかわってしまう。一年のうちの、ほんの僅かな期間だけにあらわれる幻の花園だ。