2012年5月12日(土)

土手の終端

東京都日野市新井(多摩川と根川・浅川の合流点付近)

終端

「ここに地終わり海始まる」

ポルトガルの、と言うよりもユーラシア大陸の最西端、ロカ岬に建つという碑に刻まれた一文。私はそこに行ったことはないけれど、海に囲まれたその岬の切っ先に立って、人は何を思うのだろう。

ここで陸地が終わる、もう先には進めないという絶望か。あるいは、ここから始まる海の向こうの、新しい世界へと旅立つ希望だろうか。

Uターン

日野橋から多摩川右岸を下って浅川・根川との合流点まで来ると、土手がぷつんと切れる。遠くに見える府中四谷橋との間には、ただ広い河原と川の流れがあるばかり。そこで、この言葉が頭に浮かんできた。

先月ここを訪れた時には、冬枯れて茫漠とした景色が目の前に広がっていた。その寂しさが「ここに地終わり」という雰囲気だったのに、再訪してみると瞬く間に育った植物がジャングルのように茂って、今日は「(緑の)海始まる」の言葉が合う。不思議な場所だ。

写真を撮り終わると、後ろで待っていたらしいウォーカーが、そそくさと終端の柵にタッチをして戻っていった。しばらく見ていると、ランナーも散歩の人も、皆一様に柵にタッチをして戻っていく。なんとなくUターンするのではなく、「ここまで」に一端区切りをつけ、新たに「ここから」を始めたいのだ。

ここで陸地が終わる、もう先には進めないけれども、もう一度来た道を戻ったって良いんだ。そういう希望もある。

国土交通省の注意書き | 冬枯れの景色(2018.2.13.)