加賀塚公園
東京都日野市栄町1-35-1
カラフルな遊具の並ぶ公園の奥に榎が一本、緑の枝を広げている。まわりには草原が広がり憩いのスペースという雰囲気。…でもちょっとおかしい。
遊具のある白い砂利の広場と緑の空間との間には、目に見えない境界線が引かれているような違和感が漂っている。あるいは「結界が張られている」というべきか。
それもそのはず。榎の根方には戦国時代の武将の墓石が埋まっているのだ。近年になって建てられた供養塔も二基。木製の卒塔婆も立っている。
昔は畑の片隅に小さな塚がある、特段珍しいこともないような風景だったのだろうが、まわりはすっかり住宅地に変わり、ピカピカした建物に囲まれて墓石たちは何とも居心地が悪そうだ。
孫の孫のそのまた孫の、ずーっと先の時代の子供たちの平和な姿を、戦乱の時代に生きた加賀殿はどんな思いで見守っているのだろうか。