2012年10月12日(金)

コスモス

東京都日野市百草(程久保川・浅川出合い)

全体

今にして思えば、山岳部で活動をしていた学生時代に、高山植物に全然興味がなかったのが実に惜しい。日本アルプスで珍しい花をたくさん見たはずなのに、残念なことに、コマクサとニッコウキスゲぐらいしか記憶にない。

府中四谷橋

南アルプスの縦走をした時に、テント場を目前にして雨に降られたことがある。雨といっても、高山なので雲の中にいるようなものだ。森林限界手前の低木林を歩いていると、突然視界が晴れて、林の真ん中にぽっかりと開いた空き地を埋める色とりどりの花畑が現れた。あっという間もなく、またその姿は霧の中に消えてしまい、なんの花だったのか、何色の花だったのかも今は記憶の彼方に消えてしまっている。

程久保川と浅川の出合いを埋めるコスモスの花は、河川敷で自由を謳歌する草木に囲まれてワイルドに咲いている。整備されたコスモス畑やコスモス街道を見慣れた目には物足りないかもしれないが、わたしはこの雰囲気が好きだ。あの日見た花畑も、こんな感じだったのだろうか。そんなことを思いながら見ていたら、花の色がセピア色になってきた。