イタリア文化会館 東京
東京都千代田区九段南2-1-30
建築家のガエ・アウレンティ(Gae Aulenti)氏が亡くなった(1927-2012)と聞いて、彼女が基本設計を担当したイタリア文化会館を見に行ってきた。皇居のそばに真っ赤な建物はけしからんと景観論争を巻き起こした建物だ。
巨大なトマトケチャップの瓶を立てたようなド派手な建物を想像して行ったのだが、目にした感想はそれほどでもなく拍子抜け。これくらいのビルならどこにでもありそうな気がするが、どうだろう。
中世から続く石造りの建物が軒を連ね、ある程度まとまった印象を受けるヨーロッパの市街ならともかく、高さも様式も不統一な建物が無秩序に建つ日本にそもそも景観論争なんてあるのか?と言っては乱暴だが、最近目につくガラスカーテンウォールの碧い建物に対して、赤や黄色のこういう建物が適当にあった方が街にアクセントがついて良いとわたしは思うのだが…。
色とりどりの看板がひしめく商業地区ではないので違和感があるということだったのだろうか。でも、建て売り分譲地のように同じような建物が並ぶ景色は退屈だよね。
設計は鹿島建設・植野糾、2005年竣工。