南青山サンタキアラ教会
東京都港区南青山5-5-24
「ツタの絡まるチャペル」といえばペギー葉山が歌った「青春時代」(1964、曲詞・平岡精二)。「♪讃美歌を歌いながら 清い死を夢みた」なんていう歌詞に時代を感じる。甲子園の熱戦を見守ってきた夏の緑、恋人たちの心を照らす秋の紅葉、葉の落ちる冬の日にもオー・ヘンリーの短編「最後の一葉」のようにツタの葉には季節毎に様々な物語がある。
そんなことを考えながら写真を撮っていたのだが、よくよく見るとファインダーの向こうの景色がなんだかおかしい。壁面を覆っているのは蔓草ではなく普通の草花。それが空き地を埋める雑草のようにボウボウと生えている。
雑草といっては失礼か、ふと「ヒース(heath)」という言葉が頭に浮かんだ。こんなふうに背の低い草木に覆われた英国の荒れ地のことだ。それが垂直に立っているということはヒースの崖、ヒースクリフ!。「嵐が丘」なのか?
教会と名がついているけれど、ここはレストランなどを併設したウェディング施設。ガーデニングデザインはスタイル イズ スティル リビング(Style is still Living,inc.)の長濱香代子が担当した。2010年竣工。