ウェッジ
東京都渋谷区神宮前3-25-12 不二ビルディング原宿
最近はガラス面を多用した透明感のある建物が多くなった。建築技術の進歩によって、重苦しい石やコンクリートの壁は取り払われ、建築も軽やかな衣装を身にまとうようになったのだ。
20年以上前に建ったこのビルは、まさにそんな時代の変化を予言するような象徴的なデザインのファサードが目を惹く。
ウェッジ(wedge)とは英語で「くさび」のこと。くさびを打ち込まれて亀裂の入ったたコンクリート壁の下からガラス窓が覗いている。
竣工した1989年は、奇しくもベルリンの壁が崩壊した年でもあった。設計者の鈴木エドワードがそれを予測していたとは思えないけれど、ベルリン市民が手に手にハンマーやツルハシを持って壁を破壊していくニュース映像を見て、してやったりと思った…かもしれないね。あくまでも想像だけど。
このあたりから千駄ヶ谷方面に向かって、明治通りの銀杏並木がちょうど見ごろになっていた。