道しるべ
東京都渋谷区本町2-44-3 荘厳寺
今でこそ副都心の冠を戴いて都内でも一二を争う賑わいを見せる新宿だが、昔は「甲州街道も新宿を過ぎれば狸に化かされる」と田舎扱いされていたと聞いたことがある。出自のはっきりしない話ではあるが…。
とんでもない、昔だって大勢の人が往来していたんだぞ、と言いたげな遺跡が初台のお寺にのこされている。
現在のオペラシティ付近に建って道しるべを兼ねていた石燈籠で、付近の寺社への道程が記されている。神田上水の水源・井之頭弁財天までは二里余り、とあるからそのあたりまで行く人もいたのだろう。歩いて2〜3時間。当時(江戸時代末)の人にはちょうどいい行楽の距離だったのかもしれない。
新宿から調布方面へ戻るとき、いつもは水道道路を走るのだが、今日はなんの気なしにその一本北側の道を走ってみた。この石灯籠のある荘厳寺(幡ヶ谷不動)前には不動通り商店街があり、結構人通りがあって元気なお店も並んでいる。横道に入ってこういう道を見つけるのも散歩の楽しみだ。