旧枢密院庁舎・宮内庁庁舎
東京都千代田区千代田1-1
新年の一般参賀に行ってきた。特に皇室に思い入れがあるわけではないけれど、「いつもは閉ざされている場所にはいれる」「いつもは見られないものが見られる」というキーワードに惹かれて年始の走り初めというわけだ。
そこで見てきた「いつもは見られないもの」がこれ。大正10年(1921)に現在の国会議事堂のある場所から移転・新築された旧枢密院庁舎と、昭和10年(1935)に建てられた宮内庁庁舎だ。
枢密院は帝国憲法下で天皇の最高諮問機関として置かれていた機関で、その庁舎はギリシア建築風の威厳のある佇まいを見せている。現憲法施行とともに枢密院は廃止され、建物は最高裁判所の仮庁舎などに使われたのち、昭和59年(1984)以降は空き家となっていたそうだ。最近のニュースによると、今春から皇宮警察本部庁舎として再利用することが決まったと言うことで、外観がきれいになっていた。
宮内庁庁舎は、戦災で失われた明治宮殿に代わって仮宮殿として使われていた時期がある。現在の宮殿(新宮殿)が完成したのは戦後四半世紀近く経った昭和43年(1968)のこと。「国民が戦災の為に住む家も無く、暮らしもままならぬ時に、新しい宮殿を造ることは出来ぬ」という昭和天皇の言葉が伝えられている。