2013年1月2日(水)

旧第一生命館

東京都千代田区有楽町1-13-1 DNタワー21

DNタワー21

皇居のお濠端に並ぶ列柱建築の一つ。コリント式の列柱が立ち並ぶ古式ゆかしき明治生命館に対して、装飾を廃したシンプルな外観が特徴だ。平成7年(1995)にDNタワー21の一部として改装された際に外壁がきれいになってモダンな印象が強くなった。

旧第一生命館

竣工は昭和13年(1938)。地盤が弱かったため、当時としては画期的だった潜函工法によって20m以上の深さにある支持地盤まで掘り下げ、通常の倍近い鉄骨と鉄筋を使用して保険証書を守る堅牢な建物を構築したという。

設計は銀座の和光(服部時計店)などを設計した渡辺仁と、第一生命の営繕課長だった松本与作。「建築探偵奇想天外」(藤森照信・文/増田彰久・写真、朝日文庫)によれば、松本氏は99才になっても会社に出勤していたという。建物と同じように丈夫だったわけだ。

戦後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)本部として接収された時期があり、今もマッカーサー総司令官室が保存されている。