2013年1月11日(金)

賊除地蔵

東京都北区田端1-25-1 与楽寺

与楽寺

お地蔵さんの体の一部が汚れていて、それは何かをした証拠、と言う話で思い出すのは「くわんくわん」の話だ。

和尚さんの留守にぼた餅を盗み食いした小坊主が、嫌疑を転嫁するために金仏の口にあんこをなすりつける。和尚が金仏を詰問して叩くと「くわ〜ん(食わん)」と鳴って弁明するのだが、小坊主が自棄になって池に落とすと「くったくった」と言いながら沈んでいくという、何とも罰当たりなオチになっている。この仏さまが地蔵菩薩だったかどうかは判然としないのだが、こんないじめに遭うのはお地蔵さんに違いないと、わたしはずっと思ってきた。

お地蔵様にまつわる伝承には、この手の話が多い。

与楽寺に伝わる話もお地蔵様の足が汚れていたという所から始まっている。もっともこれは、よくある地蔵いじめではなく、夜中にこっそり働く頼もしいお地蔵様の話だ。他の地方の伝承では、病気の人の代わりに田植えをしてくれた地蔵の足が泥で汚れていたというものもある。足が汚れるというのは、働き者の証拠らしい。

あれ、でも、更生することを「足を洗う」って言うなぁ。汚れた足って、良いものなのか悪いものなのか、どっちなんだろう。

北区教育委員会の説明板