聖心女子学院正門
東京都港区白金4-11-1
アーチの門に銅板葺きの和風屋根。載っている屋根が無骨で「ガメラの甲羅みたいに見えるなぁ」と思っていたら、両脇の持送のところに本当にカメがいた。尾が老人のヒゲのようにフサフサになった吉祥文様の簑亀だ。
アーチの中心、要石には茨を巻かれ剣を刺された二つの心臓の図像。カトリック女子修道会を母体とする学校の精神を象徴するものだ。設計者は原爆ドーム(広島県物産陳列館)の設計でも知られるヤン・レツル。明治四十二年(1909)に建てられた時には煉瓦造りで表通りに面していたのだが、大正十二年頃に100mほど中に入った現在地に移され、コンクリート造りに改築されたそうだ。
ゆるやかにカーブを描く下り坂のアプローチがいい、という人もいるけれど、これがくせ者でもある。学校は部外者立ち入り禁止。特に女子校なのでその辺は厳格だ。門の向こうから守衛さんが睨んでいる道を100m歩くのはドキドキする。案の定、門まで数mに近づいた所で守衛さんがこちらに向かって歩いてきたので、「門だけ見せて下さ〜い」と声をかけて事なきを得た。
そういえば「ガメラ3」(1999)でガメラに付けられていた称号は、The guardian of the universe。〜universityではないけれど、この門がガメラに似ているのはそういうわけか。…まさか。