安藤記念教会
東京都港区元麻布2-14-16
花の少ない冬場の散歩は、建築巡りがいい。木々が葉を落として見晴らしが良くなる上に、東京の冬は晴れる日が多いので、青空に建物が映えて見栄えがする。
元麻布の安藤記念教会も、壁面を覆っていたツタが葉を落として、大谷石を組み上げた荘重な姿が見られるようになった。
入口に建てられた塔屋が中世の古城を思わせる。表面がざらざらとした大谷石の感じが、幾世紀の時を経た古城の歴史を物語るかのようだ。
もちろん、それはあくまでもわたしの見立て。ここは古城でもないし、築後一世紀近い時は経ているけれど、まだまだ現役で礼拝を守っている教会堂だ。
それはそれとして、歌(※)にもあるように「ツタの絡まるチャペル」も捨てがたい。生き生きとした夏の緑、哀愁を帯びた秋の紅葉、それぞれに趣きのある姿を見せてくれる。また、別の季節に訪ねてみたい。
※ 「学生時代」 作詞/作曲:平岡精二、歌:ペギー葉山、1964年