さわら庚申と道標
東京都目黒区中町2-38-30
祐天寺から円融寺に向かう。駒沢通りから碑文谷方面に折れる交差点の角に、江戸時代の庚申塔と道標が立っていた。昔から交通の要所であったらしい。
庚申塔は立派な瓦葺きのお堂に納められている。正面の鬼瓦と懸魚には菱形の渦巻き模様を大事そうに掲げるお猿さん、欄間に彫られた耳や目口を塞ぐ三猿の姿もかわいらしい。木鼻の獅子も愛嬌のある表情を見せている。
傍らには賽銭箱が置かれているので、その浄財で建てたものだろうか。熱心な講中がついて維持しているようだ。
お猿さんの彫り物を見ていたら、死んだ母方の伯父の顔を思い出した。こう言っては失礼だが、ニホンザルにそっくりな顔をしていたのだ。年をとると祖先の姿に戻るのか、猿顔のお年寄りを見かけることがよくある。自分もそうなるのかなぁと、ちょっと心配になって鏡を見てしまった。