2013年3月15日(金)

徳雲院

東京都あきる野市乙津511

道路から

山里で見る春の景色には、都会で見るそれとはまた違った味わいがある。たとえば、春霞がたなびくように山裾を彩る梅林の景色などは、その道のたしなみのないわたしでも、何か歌を詠みたくなるほどにすばらしい。

梅林

養沢川に沿って山道を登っていくと、満開の白梅が谷を埋めている景色に出合った。その奥に見えるお寺の屋根は、雲海から頭を出している名峰のようだ。

境内に下りてみると、景色ががらりと変わって見える。振り仰ぐ青空に、梅の紅白、山の緑が映えて美しい。

事前の調べではアズマイチゲという可憐な草花が咲いているはずだったのだが、遠くの景色ばかりに目が行って、見て来るのをすっかり忘れてしまった。

あたりを包み込む幸せな春の気分に満たされると、足もとを見ようという気がまったくおこらない。ただポカンと口を開けて、青空をゆく雲ばかりを見て帰ってきた。