染井霊園
東京都豊島区駒込5-5-1
ソメイヨシノ発祥の地といわれる駒込で、「染井」の名を残す数少ない場所がここ。明治七年(1874)に開設された墓地はお花見の名所としても有名だ。由緒正しき(?)ソメイヨシノを見ようと、多くの花見客が訪れていた。
園内の桜はみな大きく風格を感じさせる。発祥記念碑の建つ駒込駅前の公園の若木などに比べると、存在感が違ってみえる。その姿に、染井村が駒込に吸収されて無くなってしまった後もその名を守ってきた自負みたいなものを感じる、と思うのはわたしだけだろうか。
霊園の西側には段差があって、その斜面を覆うように大きく枝を張り出した桜が見事だ。ベンチも用意されているので散策の合間にひと息つくのにちょうど良い。
この斜面は長池堤といい、その下の窪地(長池)には昔、水が湧いていたという。その水は谷戸川、境川、谷田川、藍染川と名前を変えて不忍池に注いでいたが、大正時代に長池は埋め立てられ川も今は暗渠となっている。
園内には岡倉天心や高村光太郎など多くの著名人が眠っている。左写真中央奥に立っている白い標柱には「東洋のナイチンゲール「ローダスカ・ワイリック」永眠の地」とある。初めて聞いた名だが、そういう出合いも散歩の楽しみだ。
(参考)2013年の東京の桜開花宣言は、3月16日でした。